私達が普段稽古している神道夢想杖術について

流祖、夢想権之助勝吉。木曽義仲の臣、木曽冠者太夫房覚明の後裔。
天真正伝香取神道流の祖、飯篠長威斎家直から五代目の宗家桜井大隈守吉勝に神道流を
学び免許皆伝を得て1596年頃つまり世は戦国時代から太平へと移り変わる時代で、関ヶ原の戦いが終り、大阪冬の陣、夏の陣と続いた後、徳川幕府約300年の平和の基盤が出来上がる頃、宮本武蔵と試合をし袖の下、羽織の襟に切っ先が軽く当たるも、武蔵に追い込まれ眉間を打たれ破れて発奮、筑前(福岡県)の宝満山の竃門神社に参寵して『丸木を以て水月を知れ』と言う託をえて、四尺二寸一分直径八分の樫の木で槍、薙刀、太刀の三つの武術の技を合わせた『杖術』を編み出し、後年武蔵と再度試合をし引き合け宮本武蔵の推挙により筑前黒田家に仕え同藩に藩外不出のお止め武道として伝えられたものであります。
その杖術が昭和6年1月12日第26代(25代とも)宗家清水隆次先生によって、東京海洋少年団訓練所に、更に昭和8年2月13日警視庁巡査教養係、昭和8年10月1日特別警備隊(戦後警視庁防護課)。
昭和14年頃我師第27第宗家中嶋浅吉先生が満州国の杖術師範として、そして戦後大阪府警に杖術師範として警杖操法及び警棒操法逮捕術として指導される一方一般にも精力的にも神道夢想流杖術を指導され今日に至っております。
この神道夢想流杖術の中には、天真正伝香取神道流剣術を初め、第3代宗家松崎金右衛門重勝先生が(一達流捕縄術、一角流十手術)、一心流鎖鎌術、内田流短杖術、中和流短剣術等が継承されております。
私達は、第27代宗家、故中嶋浅吉先生の杖術及び関連武術を正統に伝承するものであります。
神道夢想流杖術は
基本技 12 本 基本技合計 12 本
表技 12 本
中段 13 本
乱合 2 本
影 14 本
五月雨 6 本
奥伝 12 本
極意 5 本 組形合計 64 本
別に第26代宗家清水隆次先生が考案された練習形が『五本の乱れ』として
太刀落の乱 左貫の乱 霞の乱 間込の乱 斜面の乱
が追加されており正式には64本ですが実際には69本の組形があります。