神道夢想流杖術の形について
基本業
本手打 逆手打 引落打 返突 逆手突 巻落 繰付 繰放 体当り
突外打 胴払打 体外打
表 業
杖術の基本を修業した者が、初めて相手との組形の稽古に入るのがこの表業であり、
太刀と杖との間合いで基本業が実際に応用出来るようになるまで稽古を積まねばなりません。
この表業の稽古により太刀の動き、基本で習得した杖の捌きを太刀の動きに崩されぬように、
より一層正確に運用出来るようにするのが、この表業です。
太刀落 鍔割 着杖 引提 左貫 右貫 霞 物見 笠の下 一礼
寝屋の内 細道
中 段
表業で習得した業をより実戦的に役立たせるために組み立てられおり、スピード感は
もとより杖の捌き、体の捌きがこの組形で完成されなければならず、特に太刀と杖の
『間と間合い』の習得と完成が目的であります。
一力 押詰 乱留 後杖 後杖 待車 間込 切懸 真進 雷打
横切留 払留 清眼
乱 合
乱合には太刀と小太刀の乱合があり名前が示す通り、定まった形の中でも、臨機応変に
転じられる杖のさばきが要求され、技術的にはこの段階でほぼ完成されます。
太刀の乱合 小太刀の乱合
影
影の業は、乱合までの業と違いスピード感も少なく形の派手さもありませんが、業の根
底にある『静中の動』を『気位と気迫』で威圧していく業であり、表業の裏業として門外に公表せず試合業として一撃必殺を込めた業であります。
太刀落 鍔割 着杖 引提 左貫 右貫 霞 物見 笠の下 一礼
寝屋の内 細道
五月雨
五月雨の業は技術の最終習得業とも言うべきものが集積されており、一寸一分狂わない
『間』と『間合い』が要求され全てが完璧でないと行うことが出来ない、杖術の極意である
『後の先』で勝ちを得る業であり、『気』『杖』『体』が三味一体となって成し得る業であります。
一文字 十文字 二刀小太刀落 微塵 同裏 目潰
奥 伝
この業は、神道夢想流杖術の中でも、免許を許された者のみが伝授される業であり、
完成された者のみが行える高度な業であり、修行者には垂 の業であります。
先勝 引捨 小手 十手 打分 水月 左右留 小手留 着出
打附 見替 阿吽 八通 大太刀 四通 小太刀
極 意
この業は、一子相伝の業で宗家のみが継承される業で『闇打』『夢枕』『村雲』
『稲妻』『導母』の五本の業で完成されています。
闇打 夢枕 村雲 稲妻 導母
五本の乱
この業は、第26代宗家清水隆次先生が太刀と杖を更に鍛錬するために考案された組形で
スピード感と気迫に満ちた高度な技の連続であり、中段から五月雨の業で構成されています。
太刀落の乱 左貫の乱 霞の乱 間込の乱 斜面の乱
京都産業大学体育会杖道部
師範 内山薫